学問のすすめが好きだ

学生時代は学問のすすめなんてタイトル自体がイケてないし、

ガリ勉の教科書みたいでなんてイモ臭いんだろうと思っていた。

 

しかし、大人になってから

この名著は最強のビジネス書でもあることに気付かされることになる。

 

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」はおなじみのフレーズであるが、

学問のすすめを読んだことのある方は意外と少ないのでは?

明治時代の大ベストセラーなのにね。

 

初編をようやくすると、

(齋藤孝先生の現代語訳より)

 

「人はみな同じ権利を持ち、生まれによる身分の上下はない。

 

しかし、賢い人も愚かな人もいる、

貧しい人も、お金持ちの人もいる、

社会的地位の高い人も、低い人もいる。

こうした雲泥の差と呼ぶべき違いはどうしてできるのだろうか。

 

その理由は非常にはっきりしている。

学ぶか学ばないかによってできるものだ。」

 

イモ臭いどころか、簡潔かつ熱量のある強い断言のかっこよさが際立っていませんか?

福沢諭吉の生き様そのもののような。

 

そうなんだ、自分の境遇や能力や性格に不平を唱え嘆くよりも先に、

学問をすれば良いのだ。

境遇や能力、性格を改善できる方法を学問をすれば考え、

たとえ解決しなかったとしても解決の糸口やヒントはつかめるはずなんだ。

ナポレオンじゃないけど、できないことなんてないんだ。

 

私自身、学生時代は勉強も面白さに気付けなかった。

でも、得意だったから自分のウリとしてやり続けた。

しかし、難関大学に入ると、みんなが勉強できるから、

私の中身は急に空っぽになり、空虚感しかなかった。

私を定義づける人格なんて何も無かったんだ。

好きな分野も特になかった。

私がやっていたのはお勉強にすぎない。

学問ではなかった。

大学時代で自分を満たしたのは、バイト、恋愛、飲み会、オシャレや買い物など

ありきたりのものしかなかった。

 

若者たちへ、

勉強なんてつまらないけど、学問は楽しいよ。

はやくお勉強から抜け出して学問しようよ。

 

今なら諭吉はこんな風に私たちに語りかけるだろうか。

 

何事もつまらないと思うと本当につまらなくなる。

つまらないことばかりに囲まれていると本当につまらない人間になる。

つまらない発想はやめましょう。

面白いこと、楽しいことを考えよう。

 

そして、お勉強ではなく、学問しよう。追究しよう。

 

明治という激動の時代を生きた諭吉。

西洋に比べ後進国であった日本や日本人のあるべき姿を提唱した諭吉。

国民の気風が国を作ると日本人の意識を目覚めさせようとした諭吉。

 

西洋に詳しい彼だからこそ、

学問意識の低い日本人への憤り、歯がゆさ、危機感が人一倍あり、

それがこの名著の原動力になったのであろう。

 

時に似た思いを感じる時がある。

諭吉の魂に触れた気がする時がある。

 

この子はもう少しだけ努力してくれればすごく成長するのに、

なんてもったいないんだ!と。

私の場合は憤りではなく歯がゆさだけれど。

 

本人が変わってくれるよう、

あの手この手で様々なアプローチ法を考え、早く気づいて欲しいと願う。

こんな時、教育者諭吉の思いに少しだけ触れたのかなと思う。

 

現代世界になって、誰もが学べる環境は整った。

諭吉の望む社会になっているのであろうか。

どうかな?諭吉さん。

 

最後に、なぜビジネス書かと言うと、

彼自身大学を設立し、授業料を徴収するビジネスマンとなったからである。

「学問のすすめ」の後半には、判断力の鍛え方、正しい実行力、人望と人付き合いについてなど

あの簡潔で大胆な切り口で述べている。

ぜひ、ご一読くださいね。

学問の意味は「個の独立」であるという。個という言葉には響くものがあった。

人は独立しないと、人に依存して情けなくなるという。国も同様だ。

2014年、サッカーワールドカップで

本田圭佑選手が「個の成長が重要」というフレーズを繰り返し訴えたことを思い出す。

諭吉先生も「個の成長があってこそ、国の成長につながる」と主張した。

本田選手も「個の成長がチームを強くする」とメンバーに何度も言い続けた。

ほら、明治時代の名著は古典扱いなんかではなく、

きちんと現代と共通点を持ち、十分今に通用するビジネス書だと思いませんか。

 

早稲田出身でありながらも

諭吉先生に感動するスターグリーン代表であった。

早慶戦、どちらが勝っても良しだ!

 

読んでいただきありがとうございます。

スターグリーンがお役にたてますように。

スターグリーンは早稲田大学合格メソッド教えます!