教員時代の一番嫌な仕事はテスト作りだった。
一般的に考えると意外かもしれないが、
自分があまり向いていなかったので、
好きではなかった。
もちろん、他にも嫌な仕事はあったが(笑)
自分が苦手、という意味である。
もちろん、定期テストはオリジナルではあったが、一つ一つの問題は過去問や問題集の頻出問題であり、いわば、寄せ集めである。
生徒たちが必死で勉強している定期テストの正体は寄せ集めの仲間たちってところなのだ。
しかし、その寄せ集めのテストは生徒たちにとってはまるで、姿・形の異なるものとなる。
仲間なんて言葉も浮かばないような代物である。
定期テストへの子供たちの思いは様々だ。
「どうか簡単にして欲しい。」と願う生徒が一番多いが、
上位層になると「もっと難しくしてくれないと差がつかない。」と言う。
彼らの順位が決まる訳だから、こちらもその重みを認識はしているが、
その抜群の、ちょうど良さを作り上げるのがどうも苦手な私にとっては
問題作成が勘弁してほしい仕事となったのである。
スクールカースト、マウンティングという言葉があるが、実際、順位は人を判断するに単純明快な指標である。
社会に出ても、利益率、営業成績、株価、支持率、視聴率など
数字が利益そのものであり、その数字が莫大な利益を生んだり、
逆に多大な損失をこうむったりと子供たち以上に過酷さを極めている。
一発当てれば時代の寵児になり、一発外せばドロップアウト、そんな仕事もあることだろう。
さて、子供たちは数字をいかに受け止めているのだろうか。
これも様々である。
1位は孤高の辛さを滲ませるし、
得意げな上位層もいる。
下位層であってもスポーツ・趣味など得意な何かがあれば勉強ができなくても
前向きで人生ケセラセラとばかりにあっけらかんとしているが、
特別な何かを見いだせていない場合は少し悲しい顔をする。
「心から笑ってよ。」と、こちらも心から思うのであった。
こう見ると、一番幸せなのは中位層なのかもとも思うが、
人生すべてを見つめていないから分からない。
これについて、研究されている方がいらっしゃったら教えていただきたい。
いかんせん、順位をつける以上は全員が良い成績になることは不可能だ。
しかし、少なくともスターグリーンで関わった子供たちには
定期テストの結果で悲しい顔は見たくないと今日も願う。
心からの笑顔が見たい。
こちらも多分に努力するが、
子供たちにも努力しようと今日も呼びかける。
呼びかけが子供たちのやる気につながりますように。
最後に、成績を上げるという観点では、
定期テストは勉強のモチベーションを上げるのに、格好の機会である。
1回、1回、決して無駄にしてはならない。
と、塾講師としても述べておく。
読んでいただき、ありがとうございます。